
こんにちは、くまたんハウスの伊東祐希(いとうゆき)です。
ここ数年で、AIという言葉を耳にする機会が本当に増えてきました。
研修講師としてお仕事をされている方の中にも、
「そろそろAIも活用した方がいいのだろうか」
「気にはなっているけれど、正直よく分からない」
そのように感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
実際、AI活用の流れはこの短い間にも少しずつ変わってきています。
最初は、
プロンプトを書いて使う時代 がありました。
その次に、
カスタムAIを作って活用する時代 がやってきました。
そして今は、
ナレッジベースでAIを育てていく時代 へと移ってきています。
こうして並べてみると、
ただ新しい言葉が増えているようにも見えるかもしれません。
けれども実は、
ここにはとても大きな変化があります。
それは、
AIにその場で指示を出して使う段階から、
AIにこちらのことをきちんと理解してもらったうえで、
一緒に仕事をしていく段階へと変わってきている、ということです。
今日はその流れを、
研修講師の方にとって分かりやすい形で、
3つの段階に分けてお話ししてみたいと思います。
AI活用1.0:プロンプトの時代
最初のAI活用は、
プロンプトの時代 でした。
プロンプトというのは、
AIに対して出す指示文のことです。
たとえば、
- 研修案内文を書いてもらう
- セミナーのタイトル案を考えてもらう
- 伝えたい内容を分かりやすく整理してもらう
このように、
その都度AIにお願いをしながら使っていく方法です。
この時代の良かったところは、
何といっても気軽に始めやすかったことです。
特別な準備がなくても、
思いついた時にその場で聞いてみることができる。
これはとても大きな魅力でした。
ただ一方で、
使っていくうちに、少しずつ見えてきたこともあります。
それは、
毎回ゼロから説明しないといけない ということです。
たとえば同じ「研修案内文を書いてほしい」という依頼でも、
- どのようなテーマを専門にしているのか
- どのような企業や受講者と関わっているのか
- どのような想いでその研修をしているのか
- どんな言葉づかいが合っているのか
そうした背景がAIに伝わっていなければ、
どうしても一般的で無難な答えになりやすくなります。
もちろん、最初の入口としてはとても良いのです。
ただ、日々のお仕事の中で本当に使いやすい形にしていこうとすると、
プロンプトだけでは少し限界が出てくるようになりました。
AI活用2.0:カスタムAIの時代
そこで次に出てきたのが、
カスタムAIの時代 です。
これは、その都度すべてを説明するのではなく、
あらかじめ役割や前提を持たせたAIを作っておく考え方です。
たとえば、
- 研修企画の壁打ちをしてくれるAI
- 発信文を下書きしてくれるAI
- 講座案内やご案内文を整えてくれるAI
- 研修資料づくりを補助してくれるAI
このように、
用途に合わせてAIを分けて使えるようになったことで、
AI活用はぐっと現実的になりました。
毎回同じ説明を繰り返さなくてもよくなり、
「このAIにはこの役割をお願いする」という形で、
少しずつ仕事の中に組み込みやすくなっていったのです。
ただ、ここでもひとつ大切なことがありました。
それは、
カスタムAIを作っただけでは、まだ十分ではない
ということです。
役割を決めただけでは、
中身が薄いままのこともあるからです。
どれだけ見た目を整えても、
その中に
- 長年積み重ねてきた知識や経験
- 現場で培ってきた感覚
- 大切にしている価値観
- 受講者への理解
- その人らしい言葉の温度感
こうしたものが入っていなければ、
やはりどこか一般的で、
“それっぽいけれど少し違う” 出力になりやすいのです。
つまりこの時代は、
AIを便利にすることはできても、
まだ その人らしさまで十分に宿るところまでは行き切れていなかった と言えるかもしれません。
AI活用3.0:ナレッジベースの時代
そして今、
最も大切になってきているのが、
ナレッジベースの時代 です。
ナレッジベースというのは、
簡単に言えば、
自分の知識や経験、価値観や考え方を、
AIに伝わる形に整理しておく土台のことです。
たとえば、
- これまでどのような現場で研修をしてきたのか
- どのような受講者の方と多く関わってきたのか
- 何を大切にして教えているのか
- どのような言葉なら無理なく届くのか
- どのような想いで今のお仕事を続けてきたのか
そうしたものを、
その場の思いつきではなく、
AIが受け取れる形に整えておくのです。
ここが整ってくると、
AIの出力は本当に変わってきます。
ただ便利な答えを返すだけではなく、
その方の考え方や伝え方に沿って、
一緒に形にしてくれる存在へと変わっていくのです。
つまり、今のAI活用で本当に大切なのは、
「どう指示を出すか」だけではありません。
それ以上に、
こちらのことを、どれだけAIに伝わる形で渡せているか
が、とても大切になってきています。
なぜ今、ナレッジベースが重要なのか
研修講師というお仕事は、
ただ知識を伝えるだけのお仕事ではないと思います。
実際には、
- 長年の経験の中で得てきた気づき
- 相手に合わせて伝える力
- 場の空気を読みながら整える感覚
- 受講者のつまずきを見抜く視点
- 自分なりに大切にしてきた教え方
こうしたものがあるからこそ、
価値になっているのだと思います。
そして、そうしたものは、
ただプロンプトを少し工夫しただけでは、なかなかAIに伝わりません。
カスタムAIを作るだけでも、まだ足りないことがあります。
だからこそ今、
ナレッジベース が重要なのです。
ナレッジベースとは、
単なる資料の蓄積ではありません。
これまで積み重ねてきたものを、
AI時代にも活かせる形に整えること。
言い換えると、
自分の知見をAIと共有できる状態にすること です。
ここが整うと、
AIはただ便利な道具ではなく、
一緒に仕事を進めていくための土台になっていきます。
研修講師のAI活用は、効率化だけではない
AI活用というと、
どうしても
- 時間を短縮する
- 業務を効率化する
- 作業を楽にする
という話になりがちです。
もちろん、それも大切です。
けれども、
研修講師の方にとって本当に大きいのは、
そこだけではないように思います。
本質はむしろ、
長年積み重ねてきた知識や経験を、
AI時代にも活かせる形で残し、届けやすくしていくこと
にあるのではないでしょうか。
プロンプトだけでは、その場限りになりやすい。
カスタムAIだけでは、箱だけで終わってしまうこともある。
けれどもナレッジベースまで整ってくると、
はじめてその方ならではの知見が、
再現できる形へと育っていきます。
これは単なる効率化ではありません。
知見の資産化 であり、
教え方の土台づくり であり、
自分らしさを失わずにAIと共に進む準備 でもあるのです。
これからのAI活用は、この順番で考えると分かりやすい
ここまでの流れを、分かりやすく整理するとこうなります。
AI活用1.0:プロンプト
その都度、AIにお願いをしながら使う時代
AI活用2.0:カスタムAI
役割ごとにAIを分けて使う時代
AI活用3.0:ナレッジベース
自分の知識・経験・価値観をAIが理解できる形に整え、仕事に活かしていく時代
この流れは、
単に機能が増えたという話ではありません。
お願いするAI から
役割を持つAI へ、
そして
こちらを理解して動くAI へ。
そのように、AIとの関係が変わってきた流れなのです。
まとめ
ここまでお読みいただいて、
「なるほど、AI活用の流れはそのように変わってきたのか」
と感じていただけたら嬉しいです。
あらためて整理すると、
- 最初は、プロンプトでその場ごとに使う時代
- 次に、カスタムAIで役割を持たせる時代
- そして今は、ナレッジベースでAIにこちらのことを理解してもらう時代
へと進んできています。
そして、これから特に大切になってくるのは、
ただAIを使うことではなく、
自分が積み重ねてきたものを、AIに伝わる形へ整えること です。
研修講師というお仕事は、
本来とても人間的で、
経験や想いが大きな価値になるお仕事です。
だからこそAI時代に必要なのは、
自分らしさを薄めることではなく、
その知見をきちんと土台にしていくことなのだと思います。
もし今、
「AIを活用したい気持ちはあるけれど、何から始めればよいか分からない」
そのように感じていらっしゃるのであれば、
まずはプロンプトや機能の前に、
ご自身の知識や経験を整えるところから 考えてみると、
その先の景色が大きく変わってくるかもしれません。

